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特別寄稿:TOGETHER HIGHER DANCE COMPANY 来日プレゼンテーション

山下陽子(舞台制作/コーディネイト)

(Dance Asia ニュースレター vol.011より転載)

 「ベトナムからユニークなダンスアーティストがやってくる」。
 日頃からつきあいのある江古田ストアハウス(東京)から、こんな情報が届きました。11月24日に紹介プレゼンテーションをおこなう由、当日、足を運びました。江古田駅前の古い雑居ビルの、細い階段を登った4階がストアハウス稽古場であり、今回の会場です。
 ハノイから来たLe Vu Long氏とLuu Thi Thu Lanさんご夫婦(以下、ロン氏&ランさんと呼ぶ)は共に30代半ば。ベトナム国立オペラ・バレエ劇場に所属する振付家でありダンサーです。
 この夜のプレゼンは、お二人が主宰する「Together Higher Dance Company」のドキュメンタリービデオを見るところから始まりました。
 …ハノイの街の喧騒。バイクで溢れかえる繁華街を抜け、カメラは一軒の刺繍工房へ入ってゆきます。熟練職人の一人が、Together Higherのメンバーなのです。次にカメラが向かうのは美容院。カラーリングの腕に定評がある彼女もまた、Together Higherのメンバーです。…

 ベトナム初のコンテンポラリーダンスグループ Together Higher Dance Company は、ロン氏とランさんにより2002年創立。12名のメンバー全員が聾者であり、以前よりダンス経験を持つ者は皆無です。
 グループ誕生のきっかけは、国立オペラ・バレエ劇場で定期的に創作をしているロン氏が、聾のダンサーによる作品「Together Higher」を上演したことにあります。当初は一回だけの企画のつもりが、出演者たちの熱意に促され、作品名をそのまま団体名としたカンパニーが生まれました。
 以後、年一作のペースで新作を国立オペラ・バレエ劇場にて発表。フォード財団、ブリテッシュ・カウンシル、各国大使館等からプロジェクトベースでの援助を得、ベトナムのみならずアメリカ、イタリア、タイ等海外公演も頻繁に実施しています。    

 ロン氏とランさんはボディランゲージと手話を交えてダンサーたちと創造作業をおこないますが、そのスタンスは「指導する」「振り付ける」という一方的なものではありません。「ダンサーたち自身が、からだの中から表現を探り出してゆく。僕らはその手助けをするにすぎない」とロン氏は語ります。
 とはいえ(ビデオで断片を見た限りではありますが)Together Higher の舞台は美しく洗練された、優れて完成度の高いものなのです。それはロン氏の構成力に負う部分は大きいでしょう。舞台美術、照明、音楽(もちろん出演者には聞こえません)、衣装等の要素が、十分に経験豊かとは言えないダンサーたちの動きを際立たせます。

 さらにこのグループの大きな特徴として、社会的アプローチの強さが挙げられます。大学・高校はもちろん、障がい児童施設や孤児院、刑務所、薬物中毒患者やHIV患者のリハビリ施設での公演やワークショップも彼らの重要なミッションです。
 聾者であることで社会から阻害されがちであったメンバーたちは、Together Higher への参加によって<生>にポジティブに向かい合う力を得ました。そして、今度はより多くの人々へ、その経験を伝えてゆこうとしているのです。

 彼らの活動を知るほどに、驚きが広がります。
 ベトナム初のコンテンポラリーダンスグループ。芸術性と社会性の両面を成り立たせ、経済的にも比較的恵まれ、国内外で積極的に活動。あらゆる点においてユニークでスペシャルな、幸運な開拓者たち。
 こうなるともう、彼らが聾者であるという事実も、些細なことのように感じられてくるのです。
 それはおそらく、Together Higher という集団の持つ強度が、「障がい者のダンスグループ」というカテゴライズを遥かに凌いでいるためでしょう。
 そう、Together Higher は、既存のどんな芸術団体とも似ていない、唯一無二の存在なのです。

 ロン氏とランさんの目下の目標は、自前のアートセンターを建てること。今回の来日は、そのためのアートセンターやオルタナティブスペースの視察が目的です。
 ハノイには民間の劇場・オルタナティブスペースはまだ存在せず、アーティストたちの発表の場は非常に限られています。劇場、稽古場、ギャラリー、教育施設が一体となったアートセンター「DANCELAND」。すでにハノイ郊外に土地を得、彼らの夢は着々と実現しつつあります。
 近い将来、こじんまりとした居心地の良い、芸術家による芸術家のためのスペースがハノイに誕生することでしょう。

(「Dance Asia ニュースレター」は月二回、1日と15日にメールで発行しています。購読ご希望の方は danceasia@gmail.com まで、件名を「ニュースレター配信希望」とした上で、お名前、ご職業・ご所属、メールアドレスを明記の上、お申し込みください。なお個人情報は、このニュースレターを送付する以外の目的には使用いたしません)


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